北海道の歴史を時代毎に考察し、主な出来事を史実ごとに事実と共に個人の感想を織り交ぜながら紹介します。
◇江戸時代の北海道
江戸時代の北海道について、紹介していきたいと思います。
北海道の人々は、江戸時代を迎えても、なお本州の人々とは異なる文化で暮らしていました。
まず、北海道を時代別に分けると、旧石器時代、縄文時代、続縄文時代、擦文時代、アイヌ文化時代となります。時代別にみると分かりますが、弥生、古墳・奈良、平安、鎌倉、室町・戦国、江戸といった時代は、北海道には一切当てはまりません。縄文時代までは、本州と文化や暮らしも同じでしたが、弥生時代に移行せずに独自の文化を築いてきたのが北海道です。
道南十二館②
・「道南十二館が建てられた経緯②」
蝦夷地に移住していく和人がそれなりに増え始めたころ、戦国時代の武将である安東 政季が武田信賢の息子である武田信広らとともに蝦夷地に渡りました。
そして、アイヌの人たちを支配しようとたくらんだ安東 政季たちは、支配下にある武将たちを蝦夷地に呼び寄せ、蝦夷地の南西部にアイヌの人たちを見張れるような配置で館を配置したのです。
この時造られた12の館を「道南十二館」といいます。
この「道南十二館」は、アイヌの人たちが団結して起こしたコマシャインの乱によって12館のうち10館までが落城してしまいましたが、コマシャインの戦いが終戦すると勢力を取り戻し、以降の戦いでも「道南十二館」は交戦の拠点となりました。
「道南十二館」のあった場所は、現在ではほとんど館が明らかになっています。
主な館を挙げると、1512年にアイヌとの戦いで廃絶した小林良景が館主で函館市志海苔町辺りにあった「志濃里館」、佐藤季則が館主で木古内町中野辺りにあった「中野館」、館跡には古代の遺跡も残っている松前町原口あたりにある「原口館」などがあります。