旧石器時代、縄文時代、続縄文時代、擦文時代、アイヌ文化時代と本州とは異なる時代を歩んできた北海道。明治時代では、北海道も本州とともに時代の始まりを迎えます。
ただ、アイヌ文化時代=江戸時代から始まった和人とのわだかまりは、明治時代を迎えても解消できていないようです。
札幌駅から大通公園とつながる「地下歩行空間」を通れば徒歩で約5分、地上を歩いても約10分のところに、「旧道庁」や「道庁赤れんが庁舎」、「赤れんが」などと呼ばれ親しまれている「北海道庁旧本庁舎」はあります。
かつて北海道庁の本庁舎として1888年(明治21年)に建築され、煉瓦造りの西洋館で地上2階地下1階の建物です。
当時の北海道の技術を集めて建設され、アメリカ風ネオ・バロック様式が採用、明治時代に作られたひずみのあるガラスや、化粧枠にしまわれた寒さ対策の二重扉など、いたるところに機能性と美しさが感じられる建物となっています。
明治の記憶を今に伝え、北海道史を知る上で欠かせない、北海道(道庁)にとっての象徴的存在でもあります。1969年(昭和44年)には国の重要文化財に指定されました。
まず、北海道庁旧本庁舎が建てられた経緯を簡単に紹介しておきます。
1882年(明治15年)に北海道開拓使が廃止され、三県一局が設置されます。しかし、この三県一局は開拓不審の時代であったといわれ、1886年(明治19年)に廃止となり、北海道庁が誕生しました。北海道庁の本庁舎として1888年(明治21年)に完成したのが「赤れんが庁舎」。しかし、1909年(明治42年)に赤れんが庁舎は内部を全焼する火災に見舞われてしまいます。幸いれんが壁は残り、明治の面影を残していました。復旧工事が行われ、1969年(昭和44年)にできるだけ創建時の姿に忠実に再現されました。
こういった歴史背景も、一般に無料公開されていている館内の、1階文書館展示室の奥で紹介されているので見てみると感慨深いものがあると思います。
他にも北海道開拓関係資料を展示・保存する北海道立文書館等として、北海道の歴史をたどる資料が展示されています。展示されている資料も重要なものばかりで、ここへ行けば北海道の歴史に触れられる場所となっています。展示されている資料も重要なものばかりで、ここへ行けば北海道の歴史に触れられる場所となっています。
2階の観光情報コーナーでは10時~17時までガイドが無料で説明をしてくれるので、札幌観光の拠点としても活用することができます。
また、一部は隣接する現道庁の会議室として現在でも使用されています。
見どころはそれだけでなく、現在の10階建てビルに相当するその大きさ、積み方にも工夫のあるれんが、玄関ホールの中央階段や三連アーチが広がる格調高い空間、きれいに手入れされて前庭などなどたくさんあります。
現代の私たちが見てもすごいと思うのだから、完成した当時の人々の驚きは相当だったのでしょうね。
歴史を感じたり、建物に魅了されたりと、いろいろな目的で赤れんが庁舎を楽しんでみてください^^