函館の人気観光スポットでもある「金森赤レンガ倉庫」


北海道の歴史
北海道の歴史を時代毎に考察し、主な出来事を史実ごとに事実と共に個人の感想を織り交ぜながら紹介します。
◇明治時代の北海道

旧石器時代、縄文時代、続縄文時代、擦文時代、アイヌ文化時代と本州とは異なる時代を歩んできた北海道。明治時代では、北海道も本州とともに時代の始まりを迎えます。
 ただ、アイヌ文化時代=江戸時代から始まった和人とのわだかまりは、明治時代を迎えても解消できていないようです。

函館の人気観光スポットでもある「金森赤レンガ倉庫」
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函館の人気観光スポットでもある「金森赤レンガ倉庫」

函館の人気観光スポットでありたくさんの人が訪れている「金森赤レンガ倉庫」にも北海道の歴史があります。今回は、金森赤レンガ倉庫の歴史について少しのぞいてみようと思います。

金森赤レンガ倉庫の歴史は、輸入雑貨や船具などの販売を手掛けていた初代渡邊熊四郎さんが、長崎から函館を訪れ既存の建物を買い取って営業倉庫業「金森洋物店」を開業したところから始まりました。

金森赤レンガ倉庫も、もともと函館の観光スポットとして建てられたわけではありません。営業倉庫業として明治20年に建てられ、函館市内において最初の営業倉庫業でした。
明治23年頃には海運業が栄え、最初は不振だった倉庫業も倉庫の数が足りなくなるほど預り貨物の量が増えていき、海運貨物の増大とともに栄え、倉庫の増築で営業規模を拡大していきました。

しかし、明治40年に発生した大火で倉庫6棟を焼失したため、不燃質の倉庫として明治42年に再建されたのが現在の建物となります。その後、流通の多様化や北洋漁業が衰退したことなどにより、倉庫としての役割は終わりましたが、飲食店や土産物店などが入居する複合施設へと姿を変え観光スポットとなったのです。とはいっても、数棟は今でも現役の営業倉庫として活躍を続けています。

輸送形態の変化などにより、一時期はその存在を危ぶまれましたが、昭和後期に貴重な建築物として再び脚光を浴びたのです。この地域一帯は、“重要伝統的建造物群保存地区”に、街並みは“北海道遺産”に選定されています。

ちなみに渡邊熊四郎さんは、数々の事業を営みながら、函館四天王の一人として創設期の函館に数々の業績を残しています。特に社会や文化事業に果たした役割は大きく、学校や病院を建てたり、公園や水道施設の整備など、たくさん公共事業に私財を投じているのです。

今ではショッピングモールやビアホール・レストランなどが軒を連ねる函館の観光スポットとなっています。イベントホール・レストランなどの店舗が入居する商業施設「BAYはこだて」、展示ホールや函館ビヤホールが入っている「函館ヒストリープラザ」、アンティークなどの輸入雑貨やクリスマス用品を扱う「金森洋物館」、コンサートや展示会、ウェディングプランも引き受ける「金森ホール」などが営業されています。季節を問わずたくさんの人で賑わっていますが、冬には倉庫の目の前で、一大イベント「はこだてクリスマスファンタジー」も開催され賑わいをみせています。
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それに、観光スポットとしてだけでなく、1020坪にも及ぶ金森倉庫は現在も倉庫としても利用されています。

人気の観光スポットにも歴史はあります。営業倉庫業として栄えていたこと、複合商業施設として再び人が集まるようになったことなど、こうした歴史を知ったうえで訪れると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんよ^^


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